2011年2月15日火曜日

Facebookページの作り方、教えます










加藤 洋/TAM さんの文章を参照



ローソン、無印良品、リクルート――世界6億人ものユーザーを抱える巨大SNS「Facebook」の日本での本格的なブレイクを前に、ファンページを開設する企業が相次いでいます。しかし、国内でのFacebookの企業活用はまだ始まったばかりで、実際にどのようにしてFacebookページ(ファンページ)を作り、運用したらよいのか? 多くの企業が手探りの段階です。
本連載では、Facebookページの作成を請け負うWeb制作会社「TAM」の加藤 洋氏が、Facebookページの開設からカスタマイズ、ファンを獲得する方法まで、Facebook活用の具体的なノウハウをシェアします。(編集部)

なぜいまFacebookなのか?

 私が勤務するTAMでは、Facebookをはじめとするソーシャルメディアの活用を企業へ積極的に提案しています。お話する中で必ず出るのが、「Facebookが他のSNSと何が違うのか」「Facebookを導入することでどんなメリットがあるのか」といった素朴な疑問です。日本には会員数2000万人を擁するmixiのように安定したSNSがすでにありますし(ソーシャルアプリのプラットホームとしても存在感を増しています)、(Facebookの特徴の1つである)リアルタイム性でいえばすでに一般的になったTwitterの存在もあります。

 そこで私は、Facebookがユーザーと企業双方にもたらす“早い”“安い”“便利”の3つの観点でメリットを説明しています。

 




ほかにもたくさんあると思いますが、これら3つがバランスよく実現されているのがmixiやTwitterにはないFacebookの魅力であり、企業はFacebook上に「Facebookページ」を開設することで、これらのメリットを享受できます。

Facebookページとは

 Facebookページ(旧Facebookファンページ)とは、Facebook上に企業や団体が作成できるビジネス用ページのことです。海外ではすでに多くの企業がFacebookページを開設し、商品やサービスの紹介、お知らせの配信、ファンとのコミュニケーションに活用しています。

 Facebookページは、複数のタブから成り立っています。それぞれのタブには基本機能として「ウォール(掲示板)」「写真」「動画」「ディスカッション」「イベント」といった機能が用意されており、いずれも無料で利用できます。簡易的なCMSとしても利用できるので、大企業だけではなくWebプロモーションの予算が限られる中小企業でも活用できます。

 実際どのようにFacebookページが活用されているのか、国内外の代表的な事例をタブの機能別に紹介しましょう。


ウォール(掲示板)

 「ウォール」はFacebookページでの中心的な役割を果たすメッセージボード機能です。企業側からの一方的な情報発信だけでなく、ユーザーとの双方向のコミュニケーションに利用でき、Facebookページの管理者とユーザーがトピックスを投稿できます。

MUJI 無印良品

・ファン数:1万7672人(2011年2月3日現在)
・http://www.facebook.com/muji.jp

 国内のFacebookページとしてもっとも成功している事例が、「無印良品」でしょう。無印良品の「ウォール」では、[お知らせ]に加えて、無印良品の暮らしにまつわる[コラム]、過去に販売されていた商品を紹介する‎[無印良品アーカイブ] などが投稿されています。それぞれの投稿に対して多くの「いいね!」やユーザーのコメントが寄せられており、ユーザーと企業の活発なコミュニケーションが見られます。




Pringles(プリングルス)

・ファン数:891万2802人(2011年2月3日現在)
・http://www.facebook.com/Pringles

 P&Gが販売しているポテトチップス「Pringles(プリングルス)」のFacebookページは、世界的にもっとも成功しているFacebookページの1つです。ファン数は900万人に届くほどの勢いで、ウォールの「あなたにとってプリングルスって何?」という問いかけに対しては1000を超えるコメントがついています。



写真

 FacebookはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)であると同時に、実は世界最大の写真共有サイトでもあります。Facebookの写真投稿数はケタ外れで、2011年の年明け2日間だけで7億5000万枚もの写真が投稿されました。

 Facebookページでは、そのページの管理者だけではなく、ユーザーもFacebookページに関する写真を投稿できます。「写真」タブではウォールなどから投稿された写真を一覧で見られます。

Starbucks(スターバックス)

・ファン数1944万1851人(2011年2月3日現在)
・http://www.facebook.com/Starbucks

 米国シアトル発祥のコーヒーチェーン「Starbucks(スターバックス)」のFacebookページ。ファン数は2000万人に上り、企業が開設しているFacebookページとしてはCoca-Cola(コカ・コーラ)と1位の座を争っています。ユーザーはStarbucksのコーヒーが写り込んだ写真やStarbucksのタンブラーコレクションなどの写真を投稿しています。



動画

 Facebookには写真だけでなく動画をアップできます。動画は強力なインパクトを与えられることもあり、Facebookページの「ウェルカム」タブなどでも広く使われています。Facebookページの「動画」タブでは、1024MB/20分未満の動画を投稿できます(ハイビジョンに対応)。

 Facebookページに最初から備わっている動画機能以外にも、「YouTube」タブや「Ustream」タブもあり、用途によって使い分けられます。

iCon(日本テレビ)

・ファン数:2591人(2011年2月3日現在)
・http://www.facebook.com/iConNTV

 日本テレビで2010年8月から放送されている「iCon」は、最新のデジタル情報や注目のテクノロジーを紹介する番組です。Facebookページでは過去に放送された番組のハイライトなどが配信されています。2010年の年末にFacebook日本支社代表の児玉太郎氏へのインタビュー(http://www.facebook.com/iConNTV#!/video/video.php?v=1467255849456)が放映されたこともあり、ご存知の方も多いかもしれません(動画は公開されている)。


ディスカッション

 「ディスカッション」タブはその名の通り、Facebookページの中で議論が交わされる場所です。ウォールでも意見交換はできますが、時間が経つと流れてしまう可能性があります。より深い議論をしたい場合は「ディスカッション」を使うのがよいでしょう。

ポンパレ(リクルート)

・ファン数:2万1896人(2011年2月3日現在)
・http://www.facebook.com/ponpare.jp

 リクルートが運営するフラッシュマーケティングサイト「ポンパレ」のFacebookページ。「ディスカッション」ではサービスやチケットに対する要望をまとめたトピックスがあり、ユーザーの声が集められています。




イベント

 Facebookには、SNSの利点を生かした強力なイベント管理機能があります。「イベント」タブでは、日時や場所、説明、イメージ画像で構成されるイベント情報を投稿します。イベントに興味を持ったファンは、「参加」や「保留」といった意思を表明したり、友人をイベントに招待したりできます。イベント時期が近づくとユーザーの画面に表示されるので、イベントを忘れてしまう事態を防げます。

 当初、米国の学生向けに開発されたFacebookはイベント告知やパーティの誘いなどにも利用されていたので、こうしたイベント機能が充実しています。リアルなイベントはファンを大きく獲得するチャンスなので、企業も有効に活用できるでしょう。

レノボ・ジャパン株式会社

・ファン数:1351人(2011年2月3日現在)
・http://www.facebook.com/lenovojp/

 レノボ・ジャパンのFacebookページは、ファンになることでパソコンが割引になるクーポンコードを発行するなど、ユニークな取り組みで注目されています。また、「イベント」タブでは、キャッシュバックキャンペーン告知やエレクトロニクス大規模展示会の現地レポートイベントなどを告知し、多くのファンを集めています。



サードパーティによるタブの提供

 Facebookの特長のひとつが拡張性の高さです。ここまでに紹介してきた基本的なタブ以外にも、さまざまな機能を持ったタブがサードパーティによって開発されています。サードパーティ製のタブも簡単に自分のFacebookページに組み込めるようになっているので、広く普及しています。

 Facebookページ制作の大事な作業がタブの選定です。Facebookページを盛り上げ、機能させるには、Facebookページの目的にあわせてコンテンツを企画し、それに合う信頼性の高いタブを組み込む必要があります。




 次回は、実際にFacebookページを開設する方法を説明します。Facebookページ内のタブを選定し、Facebook独自の「FBML(Facebook Markup Language)」を使ってFacebookページのカスタマイズに取り組んでいきます。

著者:加藤 洋(かとう・ひろし)


株式会社TAM アートディレクター兼ソーシャルメディア・プランナー。大手通信会社キャンペーンサイト、国内高級車メーカープロモーションサイト、大手通販会社ECサイトなどを数多くWebプロジェクトを手掛ける。FacebookやTwitterなどソーシャルメディア活用のノウハウ蓄積と情報発信を行なうサイト「Social Media 360.jp[役に立つソーシャルメディア情報配信サイト]」を運営中。

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